2026/08/25 23:06


夏になって、レモンサワーやレモネードが飲みたくなる季節。

スーパーの柑橘コーナーに立ち寄ってみたら、あれ、国産レモンがない。並んでいるのは輸入レモンばかり。

「国産はもう終わったのかな」「今の時期は仕方ないのかな」

そう感じて、なんとなく輸入レモンをカゴに入れた経験、ありませんか?

実は探し方が悪いわけではありません。

夏は構造的に、国産レモンが最も手に入りにくい季節なんです。


この記事では、なぜ夏に国産レモンが品薄になるのか、その理由と、

それでも夏に国産レモンを手に入れる方法を、生産者目線で整理していきます。

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なぜ夏になると国産レモンがスーパーから消えるのか

理由①:国産レモンのほとんどが露地栽培だから

国産レモンは、そのほとんどが露地(屋外の畑)で栽培されています。

露地栽培のレモンには、木としての1年のサイクルがあります。

  • 春(4〜5月):白い花が咲く

  • 夏(6〜9月):実がまだ緑で小さく、木の中で栄養を蓄えながら大きくなっていく途中

  • 秋〜冬(10月〜翌3月):実が育ちきり、緑から黄色へと色づきながら収穫される

つまり夏は「収穫する時期」ではなく「実を育てている途中の時期」なんです。



理由②:生産地が瀬戸内エリアに集中しているから

国産レモンは、広島県が全国生産量の約6割を占め、愛媛県・和歌山県などの瀬戸内海沿岸エリアで、生産のほとんどが行われています。

同じ気候帯に産地が集中しているということは、収穫のタイミングもほぼ同じということ。

北海道から沖縄まで産地が分散しているみかんなどと違い

、「どこかの産地は今が旬」というリレーが起きにくい構造なんです。



理由③:そもそも国産レモンの流通量自体が少ないから

日本のレモンの食料自給率は、1~2割前後にとどまっています。

市場に出回るレモンの大半は、アメリカやチリからの輸入レモンです。 


ただでさえ少ない国産レモンが、夏という「収穫できない時期」に重なることで、

店頭からほぼ姿を消してしまう。これが、夏に国産レモンが手に入らない理由の正体です。




国産レモンの旬カレンダー|グリーンとイエローで時期が違う

国産レモンには「グリーンレモン」と「イエローレモン」という2つの顔があります。

同じ品種でも、収穫のタイミングによって色も味も変わります。 

時期種類特徴
9〜11月頃グリーンレモン皮が緑色。香りが鋭くフレッシュ、酸味がキリッとしている
12〜3月頃イエローレモン(完熟)皮が黄色。果汁がたっぷりで酸味がまろやか
4〜5月頃端境期産地やロットによってばらつきあり、貯蔵・ハウス栽培の実が中心 
6〜9月頃品薄期露地物の収穫がなく、輸入レモンが主体に 


つまり国産レモンの「本当の旬」は、世間のイメージとは逆で、冬から春なんです。 



それでも夏に国産レモンは手に入る|3つのルート

「じゃあ夏はあきらめるしかないのか」というと、そうではありません。

手間をかければ、夏でも国産レモンを届ける方法はいくつか存在します。


①ハウス栽培レモン


冬から温度管理をしたハウスで育て、栽培期を意図的にずらす方法です。

ただしこれは想像以上に過酷で、夏場のハウス内は高温になり、収穫作業自体が重労働です。

さらに冬場にハウスを暖める光熱費もかさむため、新規で取り組む農家は多くありません。

 

②夏でも育つ地域の産地から仕入れる


産地によっては、真夏でも収穫できる希少なレモンを育てているところがあります。

ただし収量が少なく、飲食店向けの卸専用になっているケースも多いのが実情です。 


③樹上で完熟させ、低温で「夏までつなぐ」方法

私たち「わらしべ。」が行っているのがこの方法です。

春先までしっかり樹上で熟成させたレモンを、収穫後すぐに出荷するのではなく、

1玉ずつフィルムで包み、低温で状態を保ちながら夏まで橋渡しします。 

いちばん良い時期に収穫した実を、丁寧に持ち運ぶ。

派手さはありませんが、この地味な工程があるからこそ、

夏でも「香りのちゃんとあるレモン」を届けられます。


飲食店・パティシエの方へ:夏に国産レモンを選ぶときの視点


BtoBで仕入れをされる方にとって、夏の国産レモンは特に判断が難しい時期だと思います。

まず価格。夏場は1個300〜400円ほどになることも珍しくありません。輸入レモンより明らかに高くなります。 [

それでも国産にこだわる理由があるとすれば、それは皮ごと使えるかどうかです。

輸入レモンは輸送に時間がかかるため、

防カビ剤などのポストハーベスト農薬が使われていることが多く、皮を使う用途には注意が必要です。 


皮の香りをメニューに使いたい、ゼストとして仕上げに使いたい。


そういう用途であれば、多少価格が上がっても国産を選ぶ価値は十分にあります。


限られる時期だからこそ、シーズンの前に生産者へ直接相談しておくと、確保しやすくなります。


手に入ったら、どう活かす?国産レモンの保存方法


せっかく手に入れた夏の国産レモン、使いきれずに傷ませてしまってはもったいないですよね。


  • 常温保存:目安は1週間程度 

  • 冷蔵保存:1つずつラップに包み野菜室へ。目安は2週間〜1ヶ月

  • 冷凍保存:輪切りやくし形にカットして冷凍。目安は約3ヶ月。皮をすりおろして冷凍する方法も香りが活きておすすめです

グリーンレモンは香りを楽しむ料理や飲み物に、イエローレモンは果汁をしっかり使うレシピに向いています。手に入った時期のレモンの個性に合わせて、使い分けてみてください。 



まとめ

夏に国産レモンが手に入りにくいのは、気のせいではなく、

木が実を育てている時期だから、産地が瀬戸内に集中しているから、という理由がありました。


「ないもの」として諦めるか、「手間をかけてでも欲しいもの」として探すか。


もし今、夏場でも国産レモンの香りを届けたいという方がいらっしゃれば、

私たちが育てている岩城島のレモンも、選択肢のひとつに加えてもらえたら嬉しいです。



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